アンビグラムは非常に複雑な技術です。
とても多くの要素が制作のポイントになっており、ある作家がそのすべてを発想できるということはないと思います。作家ひとりひとりが発想できる要素の範囲があり、その組み合わせがかぶることはなかなかありません。
ある作家があるアンビグラムを思いついたとき、その完成までの過程の影には多くの発想や技法が隠れています。しかしそれらのうち多くは前提として念頭に置いているものだったり自然と思いついているものだったりして、自分ではそれを思いつけることが特別であるということに気づきにくいということがあります。
つまり、あなたが「当たり前に思いつく、なんてことのない作品だ」と思っている作品でも、ほかの人からしたら「自分には思いつけない作品だ!」と思うようなものであることが多くあります(すくなくとも自分はとても高い確率で「自分には思いつけない作品だ!」と思っています)。
あまり自分の作品を「つまらない作品だ」などとは言わず、自信をもって発表していけるといいのかもな〜と思ってやっている次第です。